岡山空港からドライブで行く倉敷美観地区&吉備路 - アートと歴史のおすすめ観光スポット
倉敷には由緒ある美術館とお洒落な雑貨屋さん、レベルの高いカフェと素敵なスポットがたくさんあり、全国的に人気の観光地です。岡山空港から倉敷駅へは車で50分ほど。けれども直行するだけではもったいない!なぜなら、岡山桃太郎空港からの道中には、桃太郎伝説で注目度アップの吉備路ドライブスポットがいくつもあるからです。
日本で育ったのならだれでも知っている昔話「桃太郎」。桃太郎の童謡「お腰につけた吉備(きび)だんご」の一節にもあるように、こちらの吉備路が舞台であると伝えられています。今回はそんな「大人気・倉敷美観地区」&「桃太郎伝説で注目度急上昇中の吉備路」の選りすぐりドライブスポット8選をご紹介します。
※情報は2025年8月時点のものです。営業時間などは定期的に変更となることもあるため、最新情報は必ずサイト等でご確認をお願いします。
岡山/大人気の観光地・倉敷美観地区・6選
徳川幕府の直轄地「天領」として、江戸時代に栄えた倉敷。お米などを運ぶ物流の要となった倉敷川を中心として、豊かな商家が数多く生まれ、趣深い文化を育みました。そのため、倉敷には昔ながらの街並みが残された倉敷美観地区をはじめ、魅力的なスポットがたくさん。街の魅力は全国的に伝わり、大人気の観光地となっています。
日本初・西洋美術中心の私立美術館、美しいデザインの建築と絵画工芸品の傑作に触れる
(1)大原美術館

倉敷美観地区のランドマーク「大原美術館」。1930年創立、日本初となる西洋美術中心の私立美術館です。倉敷を代表する名経営者・大原孫三郎氏(倉敷紡績(現クラボウ)2代目社長)の出資により、数回渡欧した洋画家児島虎次郎氏が収集した西洋絵画や工芸品を公開するために創立されました。
本館の外観は開館当時のままで、まるで古代ローマ神殿のような姿は見目麗しく、誰もの目を引きます。ここかしこにデザインセンスが光る館内の丸窓や調度品などは、とても趣があり心惹かれます。
スペイン三大画家の一人、エル・グレコの「受胎告知」を代表として、クロード・モネ「睡蓮」、ルノワール、ゴーギャンなど、傑作絵画が数多く展示されています。また、後に建造された工芸・東洋館では、日本民芸運動に関わった作家たち、河井寛次郎、棟方志功などの優品が見られます。
◆サイトURL:
https://www.ohara.or.jp/
倉敷ならではのハイセンスな生活雑貨・リビング用品・飲食などのセレクトショップ
(2)林源十郎商店(はやしげんじゅうろうしょうてん)

「林源十郎商店」は、木造三階建ての本館と離れや蔵など、庭も合わせてリノベーションされた施設です。中庭を中心として、倉敷らしいデニムや生活雑貨、リビング用品、飲食を扱うセレクトショップが10店舗程が並んでいます。「豊かな暮らしを探求する」をテーマに、企画展やワークショップが盛んに行われています。
各店それぞれ、品よくディスプレイされた可愛らしい商品やハイセンスな雑貨が見つかるので、いつまでもお店にいたくなってしまうほどです。マスキングテープや帽子、一点物の食器、帆布バックなど、ちょっとした自分へのご褒美や個性的なお土産を購入できます。また、おしゃれなカフェでもゆったり過ごせます。屋上には、倉敷の街並みが一望できる展望テラスも設けられています。
◆サイトURL:
https://genjuro.jp/
絵になるフォトスポット!蔦が絡まる煉瓦造りの歴史的建造物(ホテル&文化施設)
(3)倉敷アイビースクエア

「倉敷アイビースクエア」は、明治時代の倉敷紡績所(現クラボウ)工場の外観や立木を可能な限り保存し、再利用して生まれた複合観光施設(ホテル&文化施設)とのこと。すでに日本の「近代化産業遺産」・「歴史的建造物」として認められていましたが、煉瓦造りの建物群や赤煉瓦の石畳、工場の温度管理に最適だったため植えられた蔦(アイビー)、これら全てが生み出す景観の味わいや美しさを最大限に生かした、倉敷美観地区の象徴的な施設です。
とても絵になるので、倉敷美観地区きってのフォトスポットでもあります。宿泊施設として「いつか泊まってみたいホテル」と人気ですが、日帰りでも楽しめる施設も多数です。元紡績工場としての資料館、特産品や名産品のショップが複数あります。また、陶芸や絵付けを楽しめる体験施設もあります。
◆サイトURL:
https://www.ivysquare.co.jp/
江戸時代後期の町家風情を感じる倉敷町家(国指定重要文化財)
(4)大橋家住宅

江戸時代、新田開発などで財を成した大橋家の住宅です。倉敷町家の代表的なものの1つであり、長屋門・倉敷窓・倉敷格子・白漆喰の白壁などを備えています。白漆喰の白壁の色、倉敷窓・倉敷格子に用いられる木の色、瓦の銀ねず色が合わさって、なんともシックな色調で洗練された外観となっています。
江戸時代の高い建築技術が見られるので、大変貴重な建物でもあります。住宅内部には、当時の生活に合わせた調度品や大橋家が使用していた道具が展示されているので、江戸時代後期の町家風情が感じられます。季節ごとの花々が飾られ、調度などと相まって、往時の豊かな商家暮らしを想像させてくれます。
◆サイトURL:
http://www.ohashi-ke.com/
舟から眺める白壁の街並みと水面に映る情景は風情満点!
(5)くらしき川舟流し

江戸時代、物流の要となった倉敷川を舟でゆったりと巡ります。白壁の建物が連なる景観と、それらが水面に映る、舟ならではの情景も風情があります。また、菅笠とはっぴを着た船頭さんが器用に舟を操りながら、倉敷美観地区の見どころを解説してくれるので、倉敷の歴史や街づくりにも理解が深まると評判です。
チケットは予約不可、当日販売のみです。午前9時から先着順で全ての出航時間のチケットが売り出されます(※最新情報はサイトをご確認ください)。そのため、観光シーズンにはすぐ売り切れてしまうことも。早めに「倉敷館観光案内所」で乗船チケットを購入して、出発時間の5分以上前に乗り場に行きましょう。時間に遅れると乗船できず、払い戻しできないのでご注意ください。
※雨天時や強風時は運行中止。再開は気象状況に応じて判断されるとのこと。
岡山県特産・旬のフルーツを使った季節のパフェやスイーツ
(6)くらしき桃子

西日本屈指のフルーツ王国岡山。倉敷にも旬のフルーツ(白桃やピオーネ・シャインマスカット等)をふんだんに使用した季節のパフェやスイーツが楽しめるお店があります。「くらしき桃子」は、倉敷美観地区周辺に5店舗「総本店」「倉敷本店」「倉敷中央店」「倉敷市民会館店」「白壁本店」を展開しています。
なお、店舗によって個性溢れるメニューを揃えているので、サイトでお目当てのパフェやスイーツがあるかを確認して、どのお店に来店するかを決めても良いでしょう。また、フルーツを使用したお土産なども豊富です。
◆サイトURL:
https://www.kurashikimomoko.jp/
岡山/吉備路・桃太郎伝説で注目度アップスポット2選
吉備路とは「岡山市北西部・総社市・倉敷市を中心としたエリア」をいいます。古墳や山城、神社など歴史と伝説の宝庫であり、古代ロマンが感じられます。最近では、昔話「桃太郎」のもとになったとされる、古代山城の鬼ノ城を拠点とした鬼神・温羅(うら)を退治した伝説が注目を浴びています。多くのスポットがあるうちで、必見の2選をお伝えします。
桃太郎伝説&岡山市街や瀬戸内海までパノラマで見渡せる眺望
(7)鬼ノ城(きのじょう)&総社市鬼ノ城ビジターセンター

鬼ノ城は、未完成で放棄された山城が多い中、ほぼ完成形で残っている古代山城です。「日本100名城」の1つですが、歴史書等に一切記述がないため、大変謎めいた古代山城でもあります。
後代において、「昔、異国の鬼神である温羅(うら)がこの地に城を構えており、近隣の婦女子や作物を奪うなどの狼藉を働くため、大変恐れられていた。民からの訴えを受けて、朝廷は大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)を派遣し、温羅を討伐させた」という話が伝えられました。この伝説によって、鬼ノ城(きのじょう)が桃太郎伝説のゆかりの地とされています。
現在、史跡調査の上復元されており、角楼跡や城門跡が見られます。西門から望む眺望は素晴らしいと評判です。復元の過程や遺跡が出土した時の様子が分かる「総社市鬼ノ城ビジターセンター」があり、先に立ち寄るとさらに鬼ノ城巡りが楽しめます。城壁に沿って整備された全長2.8kmの散策路もあり、ハイキングもできます。
◆サイトURL(鬼ノ城):岡山県総社市観光ナビ
https://www.city.soja.okayama.jp/kanko_project/kanko/kannkou_bunnka/kankouti/kinojyo/kinojo.html
本殿・拝殿ともに国宝指定・桃太郎伝説ゆかりの神社
(8)吉備津神社(きびつじんじゃ)

大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと、桃太郎伝説のモデル)を主祭神とする山陽地方屈指の大社です。過去2回の火事により焼失しましたが、1425年に再建された本殿と拝殿は全国で唯一の吉備津造り(比翼入母屋造り・ひよくいりもやづくり)という建築様式を採用し、国宝に指定されています。また、自然の地形を生かし、歴史的建造物でもある全長約400mの大廻廊はたいそう美しく、参拝者の心に残る風景となっています。
桃太郎伝説ゆかりの神社であるため、多くの伝承が残っており、鬼退治の矢を置いたと伝わる矢置岩、鬼の首を埋めたといわれる御竈殿(おかまでん)などがあります。また、釜から出る音の大小や長短で吉凶を占う「鳴釜(なるかま)神事」が有名です。江戸時代中期の小説「雨月物語」の「吉備津の釜」にも登場しています。
◆サイトURL:
https://www.kibitujinja.com/